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『擬態の失踪 模倣の消失 3』01/16/2013/04246 [日刊忘れ女たち]

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1x:30:20 shinsaibashi-min-min 01/15/2014 






   擬態の失踪 模倣の消失 3



さらにさらに深い明け方の酌み交わしと、植物を触るとが出会えば瞬間光る。話を飛ばすことが役割の定説的な情念なおかも知れない甘い鈍色。ここがあなたの場所だ、ここがあなたの場所なのだ、いいえ泣いてお願いします、ここがあたしの場所か、ここがあたしの場所なのか。そのようにして寺小屋講座夏の合宿は走りながら雨降りの武蔵野のように行われたのだが、ここは少しもどらなければOMに失礼な庭先のソラに浮く春の階段となり繰り返す。いま眉を寄せる、きみの顔に焦りは視えないそして超現実の土壌は肌色となり、ナイフに戻りフォークに戻る。「ライスを背に乗せるのが欧州式、腹に乗せるきみはアメリカなのだね」だれも冷たくならず、だれも溶解しない、OMの白日は食べきれぬランチであった。








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『擬態の失踪 模倣の消失 2』01/07/2013/04245 [日刊忘れ女たち]

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22:58:17 bontan 01/06/2014





   擬態の失踪 模倣の消失 2




当然NJは斜にかまえ勝ち誇るような無関心の池をところどころに零していた。国境を越えるとあたしが追いかけた、振り返ればパンを焼いているのだった。「おい、昼飯にゆこうよ。ナイフは向こうにあるよ」「昼の月がライスを掬うときに」フォークの背中にナイフで寄せたね。それ欧州式、米国では零式戦闘機が繁殖し腹を抱え脱衣し寄せては襲い襲われ飲み砕されて四日市の街は泥色の波に視る影もなかった腹乗せて首で喰うのがアメリカ式と云うわけさ、なんだ、と私(あたし)や空虚のハナミズキの花が調べていて、踊ったのへ未来に、教室の三人が休み休み云えと食べるのだった見事なハンバーグランチを早稲田の杜よ、BigBoxから雪崩れ落ちた民族や群衆よ。きっとあたしたちは待っていることができた、水を掛け合う夏の夜の活発な論議がもう過ぎようとしていた白昼にOMは勝ちを急いでいた。白昼の仮題として脈絡なきかれは、飢餓な浪人だったり配膳人だったりした。みんな初夏だった。








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『擬態の失踪 模倣の消失 1』01/05/2013/04244 [日刊忘れ女たち]

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19:59:40 barrel-house 12/18/2013





   擬態の失踪 模倣の消失 1




ことあるごとことわりの満願電池成就。まず出会いはと云わば大蛇(おおへび)の使い、頭(かしら)、首領の指、親指求められ、かれはあたしは一歩進み出てあばたは立っていたり至極ひょろ長くすこし青ざめていたりしてすこしはにかんでいた。東海の水は冷たいけれど高田馬場はもう干潟化していて列列列と云う混雑はない様子でとっちめられたことのある顔立ちを条件としていたからなのだった。ああきみがNJ君の湯がいていた人か、スプーンかフォークかああよろしくとキュビズムな顔立ちのOMはなだらかな大学から下りて来る口調のことを思い出す。その時私は(あたしは)雑司ヶ谷墓地のことでなく鬼子母神境内でのもしくは大鳥神社境内での「お代は視てからの」小屋を思い出していてかれと会っていたのかも知れなかった。かれが何を感じていたのかはむろん分からないそして知らない。その早朝の夢が伊勢湾台風の水かさと泥の色だったかどうかも分からないが確実にかれは冷たい唇を薄く佇んでいた野田と云う確信を持つ。机があり部屋の隅々が三種類の直角を慰めているノブのついたドアーをあたしたちは(いいえかれらは)開けたのかも知れないのだった、それが夢と云う並外れた事業計画の事実を語らねばならなかった。








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『けむりは祈りをどこに伝えるのだろう』01/02/2013/04243 [日刊忘れ女たち]

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00:06:03 ouji-no-kitsune 01/01/2014





   けむりは祈りをどこに伝えるのだろう




元旦の母の実家では
じいさまが曾じい様の真似をするのでした
けれど今年は
すこし違った
あたしがあたしであったり
あたしでなかったり
そうなったり
そうでなかったりするからかもしれない
などと云うには
あたしはすこし気が強いのかもしれない

みな訊きそびれ
みながロビンソンだった
半島は征服できずに
夜の屈伸は眠らずに続いた

まだモンキイと云われているのだねあたしの短い水の味蕾よ
声を潜めて
ご先祖さまに会いにゆく必要がない
生きていれば
こゝろも爪のように伸びるものだから
最後まで
じいさんはロウソクの火先に
線香をかざさなかった

お正月に泥の舟を漕ぎ
一時間一分つらいことを忘れようと
あたしは一年の計だからよろこんでいていっぱいはしゃいで
声おウラガエす
つらいことだ
つらくないのさ
みな訊きソベレ
みなロベンソンだった
ジョージの声も爪のように伸びたことだね
誰かがロベンソンでなくとも
ほんとうは良かったんだ

ほんとうに嫌なの
からだも気持ちも受けつけないの
信じる気持ちでなんかなくって
髪の毛についてほしくないんだ
線香の匂いが
ほんとうに嫌なの
けれどロウソクたてとロウソクの炎と
曾じい様とひい婆さまの微笑みのしたであれば
あたしのあたしはあたしを忘れて
あした祈ることができるから
いま祈れる
それから
みな訊きそびれ
みながロビンソン、いいえロベンソンだったあの時を
あたし
あたしがあたしのあしたを忘れて
あたしにあたしも半島に手を振って
しっかりと確実に折ってやることができる

「あたしは香らぬけむりだ」








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『if you are』12/30/2013/04242 [日刊忘れ女たち]

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16:06:12 12-yuuhi-21 12/23/2013





  if you are




もしそれを誰かが云ったのならソラも天上も調べとなり
そとがわからキタコトバが雨や慰めを泳ぐことだとして
ひと草ひと草下りてゆく電気の運びのようにサラへ

行きがかる遠い眼のサンダルを履きそびれ
いっとききみが生き返るのだと云い聞かせた
者ごとは落ちてゆくのであるのだから接吻も微笑みに

ところどころ感じのみなもとはいそいそと急ぎ
一夜またいちやと万葉の見事をてらい
生まれてすみませんそれが国境線を青に浮き上がらせる

今一度読み返してみれば銀座の十字架にあなたは煙のように輝いて
だれがだれが最後の平和となるのかばくれつの衣装を
髪に焼きつけてたたずんでいる磯も水を離れて

モンドリアンの恋は直線のさいごの食事それとも父の
心変わりは決して戦いではなかったのかもしれぬ








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『遺伝子の文法』12/22/2013/04241 [日刊忘れ女たち]

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09:50:31 ukima 12/20/2013





   遺伝子の文法




引き戸をくぐり抜け
歩いてきていた
左手は家主の家屋 平屋だ
ここであたしは魔やんちゃんからの電話を受けた
かの女はどうしたか
水夫は引き継がれたか
それはどんなボディーだったか
沈んでいかなかったか

二階建てだったかもしれない
可能性は薄まり
あたしの唇の前で羽を揺らしている
きみは浮いているのか
どこから飛んできたのか
階段を下りてきた家主は
まったく理解できない
近頃の下宿人は と
そう思ってあたしを呼んだのかもしれない


それが一番始めの方法だとしても
バスはそこに着くのだろうか
女になり
オトコになり
声になり
死になったとして
錯覚や妄想をはなばなしく
ひかえめに
あるいは幸せの模倣の音調で
遺伝子の文法のように奏でながら
あたしの(あるいはあなたといた)
あの仮住まいまで
僅か十数メートル
うまくたどり着けること
できるのだろうか
そしてそれから・








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『冷酷なシロクマ』12/20/2013/04240 [日刊忘れ女たち]

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23:47:33 ikebukuro 12/18/2013





   冷酷なシロクマ




ひげの濃いあごの長いめがねを掛けた
冷酷なシロクマが来るとぼくは叫び声をあげました
キンも返す
ギンも差し出す
パールは断ち切るようにする
シロクマは頂点に立ち余裕の様子でもっとも白く
すこし汚れた黄色の魂です

凍えるプレゼントを束ねています
いまは役目を終えて母体の眼球からは視線が凍りつき折れています
冷酷なシロクマは立てかけてレンタルサービスにまわします
貧乏の演説を金持ちのアンプリファイアーが増幅します
金持ちのシロクマはぼくを相手にしていません
16時半ちょうどにシロクマのバラードが流れるはずです
嫌いなのか好きなのか宿命なのか偶然なのか
魂のさらに向こうのほうが光っているようなのですが
ぼくには視えません
そのあかるさがぼくには不安です

信じるものが変わってきました
最初は機械のシロクマです
どこまでも旅をするよと云っていました
それから感情のシロクマです
ぼくたちは似た者同士なんだねと云うのが口癖でした
社会の変化にはついてゆけないみたいで
それじゃあ駄目だよと思ったものです
だから告白のシロクマに会いにいった
切なすぎて視線が凍りました

オーロラが歌いなよと云いにきました
食料のシロクマが踊りなよと云いました
半分食べてしまいました
半分売りました
キンが入り
ギンも手に入れた
あとはパールを頂くだけだな
気温はぐんぐん下がりました
タオルをまわすと凍りつく
ひたいの釘はバナナで打った

窓の外には折れた視線がいっぱいです
色とりどりに凍りついて
ツワモノドモの夢のあとです
冷酷なシロクマが凍った視線を集めています
お払い箱の凍える視線を
まるで越冬の準備のように立てかけています
どうにか今夜は湯豆腐なので
冷酷なシロクマをぼくはいま
信じなければいけません








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『ラマダンの月』12/19/2013/04239 [日刊忘れ女たち]

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17:02:22 Chapel 12/14/2013





   ラマダンの月




あたしはちぎれたパンだった
こんなにラマダンの月が流れてゆくのに
もういいのかしら
それが一番始めの方法だとしても
哀しさはバスのかたちでそこに着くのかしら
きみを女神にたとえるんじゃなかった

草や果物の土地はチでいっぱいだね
おお降りるよ
紐で押したら降りる証拠
何度も口づけする
能天気なケーブルカーの黒いオルフェさ
さあどいとくれ
おおすぐに降りるのだよ

湿って揺れ落ちない
色もくすんでいるみたい
なんのたとえを信じて
面白いかなしさをえぐるか波よ
だれもバスを視たことがない
あたしはちぎれたパンだった

あの人はほんとは嫌いだ
ただつきあっているだけ
こんなにラマダンの月があかるく白いのに
ウマやウシが星になっても
あの人はチを浴びている
水やさばくのちがうところを歩きたいよ
適当に孤独になろう

ずっと昔の九月に池袋の喫茶店で待ち合わせた
詩の週刊誌をたくさんもらってお金を払った
イスラム教の話はしなかった
砂の女がベールを脱いでいた
もう考えることは止めようと思う
素直に訊くのも止めようと思う
近づけるひとの職場へ行こう
そして弔いのラマダンの月を捨てよう
適当に孤独になろう








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『青いオトコ』12/18-2/2013/04238 [日刊忘れ女たち]

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11:26:39 himaraya-sugi 11/06/2013





   青いオトコ




うえっ
それがきみら裏男女の最後の記憶だ
校舎の裏側裏道側恨み川恨み川
もう女はあたしのものだったのでかんざし君にあげてしまった
うえっ
かの女はそれで泣いていました
校舎の裏道川で
溺れて青いオトコを呼んでいました
うえっ
うえっ
うえっ
真珠の歯の女と朝まで一緒だったのですから
水を貰うほどひどい亡きがらでした
それがきみら表男女の最初の記憶だ
裏男女
表男女
違いが分からないほど花びらで占い
コトバに組めぬほど凡庸な冒険をした
肯定のあたしは禁固十年の囚人でした
校庭のあなたは禁固十年の死にゆく人でした
うえっ

戻ろうとして時間の道に落ちてしまう
手紙にもなれぬただ青いだけのオトコですが
北区北社会保険病院の泌尿器科の待ち合いの椅子で
読んでいた
寺山修司の青いさかなの詩なのですが
今夜の会には取りあげられない
取りあげる必要がないのです
坂を転がり落ちたとき
かの女の声を聴いたのでしたかそうではないのか
恨みの川は埋め立てられた
どんどん電車は交差して
ソラから逃げる虫のよう
戻ろうとして
時間の道に落ちてしまった
読んでいた
呼んでいた

とてつもない甘い回路です
とびあがるほど痺れる記憶回路です
裏切って捨ててしまった
裏切られて行ってしまった
忘れた魚が泳いで戻ります
そっ
そっそっ
そっそっそっ
私は校舎の裏道川を通る
校舎は今年壊されました
校舎は先きごろ順法に破壊されたと云うことです
もう帰らない
あたしは新しい恋人と破壊のさまを視ていたのでした
吐き気も寒気も歓喜さえもが
蘇らなかった
戻らなかった
ヒマラヤ杉だけが三まわり四まわりも大きくなって
吐き気を生きておりました








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『身空の冬』12/18/2013/04237 [日刊忘れ女たち]

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13:50:07 kita-syaho-byouin 12/17/2013





   身空の冬




聯弾の分け目
鍛錬の分け前
散乱のインナーを着込み
脚で母の画面を蹴る
画像を覆い靴下の底で拭いてあげる相当の意地悪の
泣いたことでしょう
泣いたことでしょう
涙腺の主翼も尾翼もおれおれと揺れ
おまえが助平なんだと
母に向かって云うのです
聯弾の分け目を包む
鍛錬の分け目を染める
散乱のインナーを
紅く汚す

身空
身空
身空
志度
それが他愛もない愛憎です
それが他愛もない冬の火消し隊です
短い休みは
短い憎しみで終わります
身空
身空
身空
志度
あの人は泣いておりましたよ
おぼえているのでしょう?
身空
身空
身空
志度








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