『公的都市駅まで』05/01/2013/04123 [日刊忘れ女たち]
The diary in 1927 of the Hirai 年秋
公的都市駅まで
寄りかかっていて
板をふんでしまい
泥まみれの無明って痛いもんだね
あたしたちは
最前列に陣取って遠藤賢司の
夜汽車のブルースを
けん玉みたいにぶらぶらなこゝろを
吐きながら乱暴されていたことなど忘れて
森の茸のように聴いていた
森のなかでは
三つのことをしなければならなかった
いっとうはじめに
あきらかに男性系の蛇になること
三つのことは忘れて来た職場のなかの
文房具のようにまったく麻薬でした
暗闇は
存在しない
などと云うのです
光が射せば
消えてなくなる
それって屁理屈へりくだる
公的都市のキリル文字通りを歩くみたいにぞんざいな云いかたではないのかと
いまでも少し神経過敏なじぐざぐの傷口を舐めています
三つのことは慇懃の森のあのひとのようでもありました
思うことはこゝろで触ること
最後のことが此処では云えない
あたしの言葉は
暗闇でしょうか
あのひとの思い出は
無明でしょうか
かわたれどきにあなたはいなかった
ひとばんじゅう胞子の住処で買い物をしていたと云うんです
仕方なく
あたしたちはセシウム入りの茸を仲よく分けあった
それから汚れつちまった羽衣と夏の計画表を残り火にくべて
はははと笑った
ずぶ濡れになって
無明の駅まで降りて行きました
鵜飼い派たちのコンサートが終り
あたしたちはさいしょのことば あなたはだれ
ともう一度云って
かの女が見知らぬお兄さんのまえに濡れた指だけで立ちそのお金で
公的都市駅までの
運賃を支払いました
“遠藤賢司の夜汽車のブルース”というフレーズだけで、すっかり暗闇の迷宮に迷い込んだ気分になりました。
by 扶侶夢 (2013-05-02 01:12)
扶侶夢さん、コメント有り難うございます。
70年(71年?)の中津川で遠藤賢司の夜汽車のブルースを聴きました。うあー、本当に昔のことです。まさにもう暗闇の迷宮です。
by charlie_ (2013-05-02 07:15)