『野の胸』06/29/2013/04154 [日刊忘れ女たち]
12:34:44 tenteki 06/19/2013
胸の野
ぱたぱたと夜明けまえの海があるく
聖なるものは老人の洗面のこえである
こらえてください
海は談話室に去ってゆく
三度目の占い解体の日々を一本の杖で
歩き通す
評判の無限定な海のこちら側である
努力努力(ゆめゆめ)捨てられているとは思うまい
北の五つ星から娘をたよりに流れてきた
海のどちら側にも似ているが
生まれたくなかったと
泣き言を砕く放物線となる
あたしだけが海に囲まれていると思っている
この大洋は健常者ではないことの日溜まりな証の概要ではあるのだが
黄緑色の安寧と緩やかな尿の郷愁が気がつかぬほどゆっくり揺れて
ぱたぱたと夜明け前に胸の野を焼き払う
ぱたぱたと
この忘れ女たちとは誰のことなのでしょう。北の五つ星とは?緊張の走る不思議な詩です。
by さきしなのてるりん (2013-06-29 14:55)
さきしなのてるりん 様、コメントを有り難う御座います。
私の使う詩の言葉には、いろいろなタイプがありますがインスピレーションによるものも多いです。
この二つの言葉もそうですが、ちなみに「忘れ女たち」とは、私の第一詩集の表題作で、このブログのネーミングにも使いました。
インスピレーションと云っても、平たく云えば思いつきですから、思いつく根拠や具体的な物事などはもちろんある訳ですが、時間が経つと忘れてしまい言葉だけが残る等と云うこともたくさんあります。
また、その事象ひとつを取り上げても作品のイメージに結びつかないことも多いので説明することにはあんまり意味がないかもしれません。
これからも気が向けばたまに寄ってみてください。
by charlie_ (2013-06-30 01:47)