『みんな鳥のかたちになって』07/01/2013/04155 [日刊忘れ女たち]
13:31:01 tori-no-katachi 06/28/2013
みんな鳥のかたちになって
いままでとは違う先物市場に
朝が訪れて
みんな鳥のかたちになって美しくさえずり
数を数えずに
気持ちがいい
あふれ跳ね返る青灰色の画像をロボットは視る
さえずりの比色計を踏み
立ち上がってすこしのあいだ無償の拍手
こう云うふうに
生きてみろよ
小腹がすいたと云ってまわし飲み用の薬缶(やかん)を持って
あなたは街におりた
暗い夜でないひとを探すのはほんとうに骨が折れること
ひるま破けた顔とこゝろを縫い合わせて
そのまま白い月の時間に縫いつける
かつて浮間は埼玉県の一部でした
浮間は埼玉県北足立郡横曽根村大字浮間と云いました
明治43年夏に発生した豪雨による大洪水で
江戸時代以来の堤防が決壊し
東京を中心に浸水は約27万戸
被災者約150万人という被害を出したそうです
政府は抜本的な荒川改修に乗り出し
岩淵から下流に隅田川から分岐する形で
荒川放水路を開削し
洪水時には隅田川の増水を抑えるために岩淵水門を設けて
隅田川の入口を塞ぐと云うものでありました
工事により都県境が新河岸川から新荒川に変わり
浮間は埼玉県と分断
1926年(大正15年)東京府北豊島郡岩淵町に編入されたのです*
鳥を待つのは止めにした
退院の日に隣のベッドの老人があたしたちにこう云った
地主のはなしを生きているうちにしようと
大きなコウモリに出会った
名前さえしっかり聞いて来なかったが
また界隈で会えるといいと思う
*「浮間わいわいねっと/資料室/浮間の歴史」を参照し、引用した。
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