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『忘れ視上げればラヴ女』12/14/2013/04236 [日刊忘れ女たち]

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16:41:31 shinjuku 11/21/2013





   忘れ視上げればラヴ女




だんだだん
だんだ
だんだだん
だだだ
思わずにはいられなかるた
一枚ひいた
思いをひいた
色がついた
そこから零れた
浮かび上がって
耳から消えた
眼から落ちた
夜から視えた

生まれた家だった
殺した駅だった
いつか視た白いドラムだった
いつも聴こえる琵琶の嘘つきなのだった
池袋で囲まれたとき
もう友だちの顔じゃあなかった
もういきり立った男根だった
生まれた家から遠かった
井戸端過ぎれば
友だちだった
やあっと見つけた
果物だった
日本語だけが
邪魔だった
oh please
Suica買ってきた
冷やしておけ

小人たちいっぱい零れた
小人たち挑発してこぼした
小人たちいっぱい悪口零れた
神話を立て直す
小人たちいっぱい
Suicaからっけつ
空っ穴Suica

街頭詩人「い」さんはガリ版刷りの蒸気機関車の排煙を視てシリウスになった
正体を明かしたがデモ隊に轢かれて死んだ
電線は切られて
欲望は押し入れにしまい込み その欲望は天窓を開けた
あなたが来るのが怖くて
待っていた
この欲望があなたを横断するこの不足があなたを画策する
視上げれば
ラヴホテル








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『だ忘れ冴子の』12/10/2013/04235 [日刊忘れ女たち]

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07:23:08 kuro-bara-arigatou 12/10/2013





   だ忘れ冴子の




知っているをキル
しリマ ここで産まれましたこちら
財宝の過去形をみてキル
アジアの方角は観測で来な
敬礼は死ん
そこは御殿だった
女は初めぜろにんだった

白夜と喧噪
きみの本棚が頭のうえにいまもある
はっ
はっ
はっ
思い
寒い
キイを確かめる
イキを調べる
知ってイルを切る

生きているいえ
生きているいえ
なだめているいえ
なだめすかしているいえ
そんな新しい子どもが母を隠す
母は隠れす
かれたちは貧乏で
あなたたちも貧乏でし
かのじょだけが
札束をしまい
のけぞった!








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『か忘れなくさ女』12/09/2013/04234 [日刊忘れ女たち]

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18:23:19 shinjuku-omoide yokocyou 12/08/2013





   か忘れなくさ女




あたしねむる
まるくねむる
幅二メートルの眠りの歌
走りながらひかりほそくねむり
忘れなくさ女
おおまかにまわり
こなになる
あたしねむる
まるくねむる
こなになる

眠りの地図をひろげる
液からこなまで
せかいで一番のものが一つある
ねむりから揮発まで
手錠からてくびまで
せんせいと話したイルミネーションがある
明日おいで
あたしねむる
あたしまったなし
少年雑誌になる
上半身のことをてんねんしょくと呼ぶ
フラメンコギターの教室を横切り
電線に耳をあてる
地下を汚れたものが追いかけてくる
水を導いて美しいのだと云う
砕いていました

あたしのみこむ
まるくなる水のむ
協和銀行のかどのところに引っ掛かってます
あたしのことをあたしと呼ばせてもらう
鳥餌のことをほんとうと呼ばれてみよう
叮嚀なコトバで気を遠くして
踊りと歌がどっちもうまいなんて雑司ヶ谷の月のようだ
いのちのことを導いて
母を呼びます
いくさの前に
それをするために
あたしのみこむ
ね色のえい写をのみこむ
のみこんだあたしが
聯弾でした








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『もう既に計算できないカラダ』12/06/2013/04233 [日刊忘れ女たち]

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09:19:03 tokyo→ 12/01/2013





   もう既に計算できないカラダ




お父さん頼みます
お母さん頼みます
このコを預けてゆきますから
けっして贅沢させないで
甘やかしたり
殺したりしないで

負けて読むかたち
 )をとる
 )のように
 )られない

鳥の思いつき
 )をとる
    にて暖まる
 ホンシツテキな日本語 神風風風 アジ片(びら)
囲む

自白するのは目白に似ている
      声を出して
      どうにか命をとりとめもない話だが
      
美しいか
眼のしたにちいさな村民たちのグラウンドの起伏を眺め
疲れたか

自白するのに疲れた
自爆するのに      
耳のしたを切る 胸のらららをえぐり 骨が帰るところだ
淋しいか

まだ連絡が来ない
同級生がみんな死のふもとで待っている
放送部だったのに
年賀状に好きですと書いて嫌われてしまった
女心とアスファルトと
教育の恥ずかしさ
傲慢なきみにはまだ会わない
まだ連絡が来ない
まだ連絡が来ない
まだ連絡が来ない
まだ予約していない自白の来るのを待っている
こゝろがだるい

負けて投げるきみに近い画像のからだ
川に流すなら
捕まるよ
それでいいか
ああ 捕まらないのか

 )防風林
 )避暑地の生蕎麦を食べに駐車場で待っている
 )影をしたいて
 )母の乳の海を東京ドーム何倍分か
 )野辺送りの重たい死体
 )雨の軽井沢

クリスマスの日に
囲碁に集まって
父は
十円玉を五円玉と分け
一円玉を積み重ね
百円玉の汗を乾かす
メモには
もう既に計算できないカラダです







***********************************************

天童大人プロデュース-「目の言葉」から「耳のコトバ」へ- 
第1023回平井弘之 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲)
12月8日(日)午後2時半 

詩人平井弘之 12月8日(日)午後2時半から。(開場午後2時)第1023回 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲) に、初参加!溜池山王の宙に、初めて聲を撃つ!乞うご期待!
天童大人プロデュース-「目の言葉」から「耳のコトバ」へ-
詩人平井弘之。Projetに、今回が初参加。10月13日の1000回記念公演を聴いて、このProjetに参加を決めたという。
第一詩集『忘れ女たち』(書肆山田刊)から順次、聲に乗せて、己自身とじっくり対峙していただく。
それが一番有効なことだ。
どんな聲で、どう聲に乗せるのか?こうご期待!
(天童大人(Tendo Taijin)詩人・朗唱家・字家の公式ブログ。UNIVERSAL VOICE(宇宙ノ聲)より)

予約2700円(当日3000円)、学生1500円(学生証提示) 小・中学生(保護者同伴無料)、障害者手帳提示1500円

予約・お問い合わせは
Hispanica 〒107-0052港区赤坂2-2-19アドレスビル1F
銀座線・南北線「溜池山王」駅下車8番出口の前のアドレスビル内、徒歩0分  Tel 080-4119-9711神田
北十字舎 Tel 03-5982-1834 Fax 03-5982-1787
携帯090-6181-0556(AM9:00~PM20:00通話可)
*平井への直接予約も承ります。


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『美しいひとならば』12/05/2013/04232 [日刊忘れ女たち]

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14:28:19 yokosuka-kannonzaki 11/25/2013





   美しいひとならば




得なことばっか集めてちゃ干涸びるよ
手紙がいま生きた
得なことばっか集めてるわけじゃない

薬でねむっている得なことを干涸びさせぬためにゃ
手紙をよく読んで
切り取り線から損得の行方をさがす
金魚の赤を
ふたりは飲んだ
ふたりで歌うその歌はうたわれずに
ひとりで
良心的だけどひどく好色なま人間の振りをするために生きた
そのはなしを何度もあなたがするので
少し驚いた

網になってかぶさってきた
動きたくなればつらいから伸び伸びしようとする
妻も恋人も
その父親もそのまた父親も描きかえる
妻には黙っているし
そのことを伝票に書かない
恋人には秘密にするし
いっさいがっさい喋っちまったら
元には戻れない
試驗に受からない
病気が治らない
だから手紙が今日来た
来ない手紙は昨日来た
なん年もなん十年もまえから来ていて損ばかり
損ばかりたまって
損ばかる
風がとまって電気が消えた

そのことを噂にしない
手紙にはたった十数年分の文字しかないが
あたしには
落ち葉衣を脱ぎすてて〇〇が〇〇するそう〇〇る
つめたくて
神々しいひだり頬が視えて
もう一度やり直す
抱きしめるときに
右の頬が視えないと
損してしまう
神話的にはそうでも
現在性とでもなればあたしたちにはもう分からない
美しいひとならば
得をしたのではないのだろうか








***********************************************

天童大人プロデュース-「目の言葉」から「耳のコトバ」へ- 
第1023回平井弘之 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲)
12月8日(日)午後2時半 

詩人平井弘之 12月8日(日)午後2時半から。(開場午後2時)第1023回 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲) に、初参加!溜池山王の宙に、初めて聲を撃つ!乞うご期待!
天童大人プロデュース-「目の言葉」から「耳のコトバ」へ-
詩人平井弘之。Projetに、今回が初参加。10月13日の1000回記念公演を聴いて、このProjetに参加を決めたという。
第一詩集『忘れ女たち』(書肆山田刊)から順次、聲に乗せて、己自身とじっくり対峙していただく。
それが一番有効なことだ。
どんな聲で、どう聲に乗せるのか?こうご期待!
(天童大人(Tendo Taijin)詩人・朗唱家・字家の公式ブログ。UNIVERSAL VOICE(宇宙ノ聲)より)

予約2700円(当日3000円)、学生1500円(学生証提示) 小・中学生(保護者同伴無料)、障害者手帳提示1500円

予約・お問い合わせは
Hispanica 〒107-0052港区赤坂2-2-19アドレスビル1F
銀座線・南北線「溜池山王」駅下車8番出口の前のアドレスビル内、徒歩0分  Tel 080-4119-9711神田
北十字舎 Tel 03-5982-1834 Fax 03-5982-1787
携帯090-6181-0556(AM9:00~PM20:00通話可)
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『王子様のホテルの窓に貼り付いている虫の心根』11/30/2013/04231 [日刊忘れ女たち]

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14:31:48 yokosuka-kannonzaki-sangenya-houdai-ato 11/25/2013





   王子様のホテルの窓に貼り付いている虫の心根




あたしの歩きかたはトーテムポールなの
自慢じゃないし
遅れてもいず
半島の色濃く
電柱になど
にじり寄るなの

さくさくとナイフが落ちてきて
わが道に舞い刺さる
まさか映像ではないかと物語れば
被害妄想
自己支援
擬態勧告も甚だしい

続けて歌ったね そっと夢が軽い
目がかゆい
先生を吊るし上げ
あたしが波の物語る
そのまま
王子様のホテルの窓に貼り付いている虫の心根(しんこん)なの

(気楽)がゆるすぎて京都を出てゆく
東京に帰ることを帰京といい
京都に帰ることをなんと云ったか
たぶん洛ナントカ・・
落葉 落城 落第 落日 落陽 洛陽 世界遺産
(作詩後、「大辞泉 Copyright 2010 Shogakukan Inc.」で調べてみると
(帰洛
(であった 
(喜楽)がゆるすぎて家庭生活を出てゆく

脚がないのに歩いている
羽がないのに桃色のソラを飛んでいる
あたしは始めに機械を産みました
なんでも混ぜる機械です
あたしはさっそくトーテムポールを入れました
脚がないのに歩くのだからです
羽がないのに桃色の空を飛ぶのからです
それとも幸せのコトバを入れよう
それにしても桃源郷を入れよう
それで眼を閉じたんだった

今は帰り道か行く道か分かりません
脚がないのに歩いています
ナイフや爆弾でひとの顔でできた道はぼこぼこです
猫も生き物も木の根もありません
友情も暗闇も初恋もありません
脚がないのに歩いている
肩がないのに桃色のソラと肩を組んでいる
それで眼を閉じたんだから
もう眼をあけて
その道をゆくのです
こわれているのは
産んだ機械です
羽がないのに桃色のソラを飛んでいる
きこえているのは
すんだ音色です








***********************************************

天童大人プロデュース-「目の言葉」から「耳のコトバ」へ- 第1023回 平井弘之 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲)
12月8日(日)午後2時半 


詩人平井弘之 12月8日(日)午後2時半から。(開場午後2時)第1023回 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲) に、初参加!溜池山王の宙に、初めて聲を撃つ!乞うご期待!
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詩人平井弘之。Projetに、今回が初参加。10月13日の1000回記念公演を聴いて、このProjetに参加を決めたという。
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予約2700円(当日3000円)、学生1500円(学生証提示) 小・中学生(保護者同伴無料)、障害者手帳提示1500円

予約・お問い合わせは
Hispanica 〒107-0052港区赤坂2-2-19アドレスビル1F
銀座線・南北線「溜池山王」駅下車8番出口の前のアドレスビル内、徒歩0分  Tel 080-4119-9711神田
北十字舎 Tel 03-5982-1834 Fax 03-5982-1787
携帯090-6181-0556(AM9:00~PM20:00通話可)
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『天声人語の鳥』11/28/2013/04230 [日刊忘れ女たち]

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21:58:22 [コピーライト]madame silk 11:22:2013?





   天声人語の鳥




鳥にやせた鳥
ふとった鳥
あるかしら

そのどちらかの鳥が
あたしの廃墟の中等部へ落ちる
だれも気にしないけど
現代国語の先生のちいさな耳たぶの
後ろかすめて
落ちていった
視たよ

うまく書けたかどうか
今朝の天声人語を原稿用紙半分にまとめる
ところで天声人語は何文字だったのか
いつか数えてみようと思っても
鳥はもう姿が見えず
落ちたのか
錯覚か
ふとっていたか
やせていたか

ものには云い方がある
中等部の鳥はなにを暗示していたか
あるいは直球で伝えたかったか
それともネタ切れで困っていたのか
そのまま声にだして
読めば良かったか
鳥よ
記憶のなかにも未来があるなら
あたしは
営業のことを
少し云いたい

うまく歌うにはバランスの鳥の知恵を借りよ
あたしたちは下手だから
下手な鳥だと自覚するなら
美しい鳥にこゝろの音色を教わろう
いいかい
こゝろには音色があり
その音色の美しさで
あんたの売り上げが決まる

やせた鳥は
ソラへ昇りなさい
ソラの広い広い樹々の木の実を食べなさい
ふとった鳥は
ソラを落ちなさい
落ちて星の光を後ろから浴びて
世界が裏返るほど
歌いなさい

そうあたしが夕礼で云った
中等部が廃墟になった事はまだ知らなかった
女たちはみな鳥だった
どの鳥もみな抱きしめた
そうしたかったが
一羽の鳥も
あたしに囁かなかった
天声人語に
そんな鳥の話があったのかしら








*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   

よろしくお願いいたします。

詩人平井弘之 12月8日(日)午後2時半から。第1023回 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲) に、初参加!溜池山王の宙に、初めて聲を撃つ!乞うご期待!
詳細は→http://p.tl/vhkI

*   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   *   


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天童大人プロデュース-「目の言葉」から「耳のコトバ」へ- 第1023回 平井弘之 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲)  [詩人の聲]

詩人平井弘之 12月8日(日)午後2時半から。(開場午後2時)第1023回 Projet La Voix des Poètes(詩人の聲) に、初参加!溜池山王の宙に、初めて聲を撃つ!乞うご期待!
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詩人平井弘之。Projetに、今回が初参加。10月13日の1000回記念公演を聴いて、このProjetに参加を決めたという。
第一詩集『忘れ女たち』(書肆山田刊)から順次、聲に乗せて、己自身とじっくり対峙していただく。
それが一番有効なことだ。
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Hispanica 〒107-0052港区赤坂2-2-19アドレスビル1F
銀座線・南北線「溜池山王」駅下車8番出口の前のアドレスビル内、徒歩0分  Tel 080-4119-9711神田
北十字舎 Tel 03-5982-1834 Fax 03-5982-1787
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『私はおばあさん』11/21/2013/04229 [日刊忘れ女たち]

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09:04:16 takatsuki-shi 11/14/2013





   私はおばあさん




紙くねる
星さばく
阪急電鉄の車体の塗装はそのままおばあさんのものだろう
すりり大工がお辞儀して
んほほい浮き上がり聴く
紙くねる畑にところどころ
落ちます夢の背脂乾燥
桃色の点描は
電信にそって行進する

営業四日め
おばあさんの持っている青い鞄は
ケリーと云うのだそうだ
それが分かる
そして忘れる

待っているわ
私はおばあさん
口元は軽いよ
魔がさすってこともあるわ
私は車掌さん
喋ったら
星が灯る
私はちいさな裸

舟は吐き気の真ん中にいる
花を摘みにきた客は青空を知らなかった
あたいたちは山を灯した
日食の日
一日アルカリで
阪急電鉄の滑り胴体が美しい小豆色だ
匂わないのでは
蛇行は止まない

紙くねる
星さばく
円周と見え隠れをちいさくパーマネントして
風をあける
闇を結ぶ
おばあさんは家に帰り
青い鞄を子犬の写真のまえに置き
明け方まで黒髪を投げている












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『浮間が原の桜草と曖昧な四』11/12/2013/04228 [日刊忘れ女たち]

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14:27:53 ukima-sakura-sou-matsuri 04/27/2013





   浮間が原の桜草と曖昧な四




何日も花を摘んでいる
何日も四を読んでいない
何日も花を摘んでもたあくさんある
四のなかでみんなが話している
新宿から赤羽行きの四が来ないので
大久保まで別の四に乗って時間をつぶした
四はつぶれない

春には何年も花を摘んでいる
春には四を書いてない
春には何年も花摘んでも消えることなんてない
四のなかで古いもんも新しいもんも
おんなじこゝろだ
春に何年も花摘んで消えることがない
どのくらい摘んでも大丈夫
四の荷台に花いっぱいでも
四は何にも書いてない

あたしたち四に乗って大久保から戻り
いよいよ花摘みに赤羽行きの四に乗った
四のなかでみんなが話してる
四が何回摘みにきたってさ花は消えない
なくならねえ
そんなにたあくさんあるんだ
なくなる訳はねえ
わっはっは
四のなかで笑いがひろがる

停車場降りれば色とりどりのパラーソルだ
お嬢さんたちに付いていけば坂をあがり
浮間の渡しに渡されて着けば何年分の花がある
見渡す限りの桜草だ
ソラに向かって空気を吸ってソラが消えねえのとおなしこと
四の何年摘んでもなくならないさ
花はまた咲くから
記念の立体写真を撮りましょう
四は読まれなくとも
花は咲く
四は書かれなくとも
花を摘む

みんな花摘んで帰っていった
四に乗って帰っていった
何年も四は花と一緒だ
四も花も摘んでも摘みきれぬ
いっくらだってあるんだよ
でも昨日も四を書いてない
でも昨日も四を読んでない
花が咲くから
花を摘む

ソラが変わって洪水になった
堤防や水門を作って流れが変わった
花の水が少しずつ枯れた
残った花はみんな摘まれた
四は狭くなった
四は恐ろしくスピード上げた
四のなかで花を持つ人いない
花のことなど誰も知らない
四のなかでこゝろは少し重くなり
曖昧な四のなかで
読んでも
書いても
花戻らない








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