『二七日』04/23/2013/04121 [日刊忘れ女たち]
13:45 kaze 04/22/2013
二七日
ジョナサンは網の夜風に吹き曝されて
蛍光色の呻きあげている樣を視て
記憶
と云う言葉を自身のために
初めて使った
眼だけが生きている
そんなはずはない
誰だろう
寝そべっているどころか双成(ふたな)りジョナサンは汚濁の法位を着て
丸三と云う透明なプラスチックモデル組たてようの接着剤を吸引した
それがなければセメダインコンタクトであり
味は一番まろやかと云われていた
そしてかれはいちばん純度のたかい
リムーバー溶解液を独り占めしているのだった
哀しいみじめな
操縦だった
あるいは思い出したように広がり
この物語のうえにこぼれ落ちる
銀河に浮かべた
まるまると太り生き生きとして架空の時間となって
ペンを曲げ
どろどろ
野球遊戯盤のようなひろさの庭に
ジョナサンは女として
ジョナサンは活動家として
ジョナサンは詩人として
ジョナサンは家出娘として
ジョナサンは新人セールスマンとして
ジョナサンはあなたの部下として
男となり
膝をだしている恥ずかしさ
連続した量としての一葉の写真だった
恥知らずな日本人観光客となり
新羅ホテルの
ディスコティックめびうすで踊り狂いつづける
泡の如く青く光るネグリジェだった
美しい宇宙の塵を二七日(ふたなぬか)経ってジョナサンよ
眼だけが生きている
そんなはずはない
誰だろう
行っても良いかい
いいえ
何故
妹が来ているし
妹ごと愛しているよ
美しい
建設中の建て売り住宅よ
あたしたちまでがぬすまれた恋がこの散らばっている鉋屑(かんなくず)なのです
深夜まで
あけがたまで
そして昼がこの屋根から
流れるように
落ちてゆくまで
遊びつづけろ
いいえ
美しい
イエイエ
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