忘れ女たち01/25/2013/04077 osaka-shinsaibashi-the fouth day [日刊忘れ女たち]
21:26 shinsaibashi 01/25/2013
八つ股
目覚まし時計のやや右上に刻印されてある
あたしたちは
旗やかぜの血液をじかくした
もともと海は嫌いだったので
生きていることさえ片足をあげるのだった
八つ股は
蝙蝠の一種なのだそう
アオゾラの夜や生理の日付には
恋人の
秘密を吐き出す
八つ股ありがとう
ご苦労さん
まっ青な舌のうえに
なだらかな糸が天に伸び
そのうえを奇妙なカタチで小僧さんたちが歩きだす
ひとりふたり
さんにんごにん
小僧さんはさらにちいさな舌を伸ばし
旗を掲げている
ほんとうにちいさい旗だなあその旗の
ちいさな黒地は塩のいろに染まり
そのはためく髑髏はああもう
信号機が腐りおちれば
あたしたち若い髑髏がまた道をわかたがう
緑の島でやっとこさ老人の仲間入りをするとああもう
けっして生まれ変わりを信じない
桃色を風に抱き
ただもうすこし生きていたい
窓の向こうに
なぜが視えても
丸
なにが蔑んでも
×
境界に行かず海を愛さない
肉を分けあう
お辞儀をし
楼蘭のご慈愛になぐさめられている
良いご商売ですね
いっぽん煙草をどうぞ
今日も寒い風が吹きますね
いいえこのビルの暖房器具はとても狂っています
この殺し野原には
髑髏と
丸と
アカい暗闇
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