忘れ女たち10/22/2012 kyoto-no.13 [日刊忘れ女たち]
14:35 kami-nakazato 11/22/2012
日刊忘れ女たち10/22/2012/04021
初めてのところへ降りる
夢の谷間に降りると云うのですが
もう夢の話しなんかいいんです
それで駅のなまえは
「鉄の運河」と云うんです
ここへ来るまでふらついた
来るなとだれかが云っているようで
まず「野戦病院跡」を乗り過ごした
降りたことのない駅が
どんどん増えてソラに浮いている
あたしは写真をとった
検索して戻る
午后の光は眩しい
林の向こうから別れ別れになった雌犬が哭いている
だからもっともっと影は濃くなり
だれだっけ 午后の光りはいちばんつめたい
そこへ行くまでふらついてゆけ
初めての街に降りる
駅のなまえはなにかに似合わない
その「鉄の運河」と云う駅の名もあたしがつけたとわかる
何とも寂しいかぎり
気をとりなおしてあるきはじめる前に
ショートホープスーパーライトを一本吸う
初めての時間に降りる
頬がぴくぴくふるえて腰や脳がバラバラになる
階段を上がると
誰もいない
そこできみのことを少し考え
膝をついた
それから「鉄の運河」駅とは
反対方向に歩いて帰ってきた
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