忘れ女たち09/26/2012 Kyoto-1/6 [日刊忘れ女たち]
07:27 München 09/20/2012
顎がある
世界のことを考えるのは止めよう
鼻がある
週末のことを考えるのは止めよう
頬骨がある
昨日のことを考えるのを止めよう
ぎゅっと伸びている
あたしの半身
亡霊の獣たちは
時間のなかの何処にもいない
秋の茣蓙のなかに
忘れ物を抱いている
網の目から黒い昼間の果物や
青い夜の瓦礫が視えている
汚れた眼鏡の内側で
惚けているのは
消えかかる
あたしの半身
背骨がある
十代の思い出をひきちぎるのを止めよう
肩甲骨がある
二十代のあざとさを水に溶くのを止めよう
肋骨がある
三十代の彷徨の果てまで物語を辿ってゆくのを止めよう
反ったりかがんだりして
砂塵のように目的もない
あたしの半身
亡霊の海の獣たちは
記憶のなかの何処にもいない
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