『盲導犬』07/09/2013/04161 [日刊忘れ女たち]
19:09:12 rakurai-no-yuuhi 07/08/2013
盲導犬
あたしたち(俺たち)は画の中に盲導犬を視た
ざぶざぶと新宿は音を立てた
遠い遠い印象がかすれきって耳の痛いところに触るわ
視終わって貧血になった
何がしたかったの
手を広げて海峡を越える仕種でラクライの印などマーキングして
有産者を不倶戴天の敵として
そのお家で寝転んだり飲んだりしてもらって
ちきしょう
時代のキマイラに印象は飛び火した
恋文の哀愁など偽物だった
こうして離れたところからあの人たちを視ても あ
できれば迫りくる遠吠えの
あ あなたをいま視かけた 転がっていく
火は記憶のソラや慚愧のウミをのっしのっしと四つ足で
何かを探しにきた訳じゃないのあたしの好きな人よ
あんなに静かな盲導犬が
何故怖い
思い出は三回繰り返す
ふおおえるりふおおんえるりいとざわざわと寄ってくる
この柱のカーブのところで待っていましょう
立場上震えるものをここに出す
やっぱりしたかったの
誘う方も誘う方だぜ臨界のと云う言葉の意味もわからずに
赤いライトの下で赤いドレスの女が
あたしたちを視ている
この座り心地の与謝野晶子よあんな女の盲動が
浮いているのかしらだれ彼と哭く
まぶしい丘の上にいるのかもな俺たち(あたしたち)
あたしたちは曲がりの光で
盲導犬を視た
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