『プリズム』05/23/2013/04133 [日刊忘れ女たち]
17:16 「6F」 05/14/2013
プリズム
虹の廊下を歩く
金輪際の美しい柔らかいものがある
あなたが何故
<いる>に拘(こだわ)ったのかが
この虹を踏むとわかる
あたしたちは賑やかな血管を契り
リアルを視あげる
述語となった野鳥がやって来る
虹のリアルをついばんでいる
幸せな独り者たちで
虹に描かれた<いる>のほとんどは出来ている
但しその別れ別れになった母と子に
幸せ知らずと云う細微な<いる>が寄り添う
母も子もかれらに食べられている
虹のなかで叫び声もあげずに
時間を泳ぎ
空間を彷徨う
オートバイに乗り
海を視に行く
崩れ落ちるゾンビになって
虹の廊下を歩く
あたしたちは
虹の廊下を歩く
泥にまみれたパンの不幸を
至福と感じさえする
無情の果てを踏まないように歩く
この切ない滝壺のような虹の記憶を
抜けて行かなくっちゃあならない
虹の金輪際を
なんかいも踏みしだき
このプリズムから
出て行かなくっちゃあならない
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