『耳削ぎ』04/11/2013/04115 [日刊忘れ女たち]
17:41 rokkaku-bashi 04/08/2013
耳削ぎ
帰ってきました
自嘲的に
「聞く耳を持たない」
予想通りの
夜の町でした
家に帰って
仕事をしました
あたしの仕事は富の獲得です
そのために
だれかの話を聞きます
そのための準備です
まず瞑想をする
それから書き付ける
「敵対するひとの豊かさを引き受ける」
そう云うことは
出来るかも知れないし
出来ないかも知れない
書き直す
「思いを寄せる人の豊かさを引き受ける」
「詩の豊かさを引き受ける」
瞑想はたったの十五分
あしたの仕事は富の獲得です
そのために
耳を削ぎました
包帯を巻きながら夜の町を歩いてきました
瞑想のなかで
痛みや血のことを忘れようとしていました
たった十五分では忘れられない
瞑想なんかでは
こゝろは拓かない
あたしの仕事は
耳削ぎです
あしたの仕事は富の獲得です
なんかいも包帯を換えねばなりません
あした
眺めの良い場所に行くつもりです
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