『バラード』04/03/2013/04112 [日刊忘れ女たち]
10:29 kitaku-ukima 04/03/2013
バラード
バラード
掛声が二重にかかる
ゆっくりと何重にもかかり
地図のなかにあたしがいる
風の吹く映画を視て
火の消える映画を視た
まっ暗になって
「此れで終わっちゃったりして」と陰口をすべれば
地図もあたしも終り
掛声だけが残る
バラード
何重にもなって縁起もよくかつどうにも溜まらずと云えば
風の先をゆける
地図は終わった
あとはゆっくり恋を思い出すだけ
すでに承知おきの通り
あのひとのバラードはしめっぽさなんて同伴しない
そうでもないとしめった風がテラスに面した窓をこじあける
風が聴こえる
考えもなしにあたしたちは楽器になったが
いっこうに出番はなく
音も鳴らない
窓だけが風の耳鳴りなのだとしのんでいる
標しをにぎって
蜘蛛の糸をつたってリモコンの太陽をしる
信じあいながら
ぴーぽぴーぽがあしたの通りを駆けてゆく
きのう聴いた
バラードだっていまはならない
ご訪問ありがとうございました(笑)。
by ため息の午後 (2013-04-03 21:12)