忘れ女たち11/13/2012 chiba-funabashi-6/7

09:16 shizuoka 12/19/2012

日刊忘れ女たち11/13/2012/04043

　　　　

　　　　かなしいトランペット

夢みる頃を過ぎた頃だったか

そうでなかったか

産まれたものは痺れてゆくからだでしかなかったのか

それが良いのか

もう詮索するのはやめでごわす

それで良いのだ

すれ違うきみは黙っている

あたしの顔を侮蔑的にやり過ごす

たしかにきみは大人ではない

隣国のながい橋のたもとで

新しく買ったスマートフォンを踏みつぶしている

会議や

報道特別番組や

暴露本を

笑い飛ばすこともしないで

あたらしい内臓の花をスプレー缶に詰めこんでいる

それは全部済んでしまったことさ

ソラには暗い薔薇がふうふう

一日じゅう血液はおびただしい傀儡を産んでいます

ひとつは人生をやり直すためです

ひとつは胃の中を洗うためです

ことばの椿の花が落ちない

きょう株価がすこしあがった

一喜一憂して倒産してしまえ

カメオのブローチをあたしたちに下さい

子供たちに下さい

蒼白のきみの顔が縫いつけられているざわざわ

何百何十国あってもまだ足りません

物語は進行中で

パロディーの馬車は蛇に食べられています

戦争から帰って来たのにヘイワの蛇を無理矢理押し込もうとする

のですか虚見

いくらかこゝろが焼けています

もうかなしいトランペット

選挙速報と想い出のグリーングラス

笑顔で迎えてくれる

ソラにはまっくろな羽ばたく薔薇がふうふう

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