忘れ女たち09/20/2012 Deutschland 8/8-Munchen→Tokyo [日刊忘れ女たち]
11:55 09/19/2012 Munchen
冷やしてよいのか
暖めたらよいのか
わからない
なのにあなたを摩(さす)る
いのちの夕暮れ
死んだあのひとはたしかに甦る
死んでゆくあたしはたしかに甦るけれど
つめたい香(か)の物を
歯茎にあてながら
あたしは曇り空の上に
まだとどかない
つめたいこゝろだ
暖めあおう
あたしは絢爛なスイッチをなだめながら
毀れかけたルームの慚愧を視失う
低温のからだは
酒で暖める
ひっそりとして冷たい
こゝろの半旗を
痺れた指先が
指ししめすことが出来るだろうか
死んだあのひとの
ソラから一直線におりて来ることばを感じる
あたしは雨模様のパラソルの下で
にんげんの暖房を
拓かなければならない
あのひとの向こう視ずな暖房と
あたしのとても不安で安物の銀河のような暖房と
現(うつつ)に広がるにんげんの希望と云う名の暖房が
点在する光る望遠鏡のように離ればなれになって
そして今日消える
寿命を持たない昆虫のように
あなたの暖かさから
離れてゆく
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