忘れ女たち09/09/2012 shinsaibashi-osaka-6/7 [日刊忘れ女たち]
17:19 10/07/2012 shibuya
変数と云うことがどうしてもわからない
埼京線新宿から
山手線渋谷行きに乗り換え
混雑かなり
なにこの人
なにこの人出
変数に寄り
あなたは宣言されました
そう云うこと
あるいわ心と云う変数について
いち日進む
あるいわなん日進んだのかわからない
ふつ日戻る
あるいわいく日戻れば良いのかわからない
なにこの人
なにこの海星
よぎりながら
かの女らを憎む
変数は変わってゆくものである
そして名前をつけて
呼ぶ
変わってゆくものに呼びかける
変わってゆかないものに呼びかける
渋谷の坂を上る
あるいは渋谷と云う変数を駆け上る
くだる
渋谷の坂をななめに下る
あるいは渋谷と云う変数をななめに下る
あああのときのもんじゃ焼き屋さんがまだここにある
あたしたちは浸食される海岸のように
泡の数を数えている
変わらないものになりたい
変わらないものにはやくなりたい
小雨降る
小雨降り止まぬ
小雨降る
小雨降り止む
あたしたちはつめたいカフェラテを
中庭で
雨をよけながら飲んでいる
娘たちは
秋の国語を話している
変わらないものにはやくなりたい
小雨止む秋の日曜日にはやくなりたい
そして名前を読んで
背筋を伸ばしたり
思いを馳せていないものに思いを馳せたい
変わらない思いにはやくなりたい
小雨止む秋の中庭の娘たちの国語にはやくなりたい
そうして名前を読んで
どうして名前を読んで
睨みつける変数のように寡黙になりたい
踏みつける青鬼のようにサングラスをつけて
じゃまたね
じゃまたねと
それじゃごきげんよう
それじゃあごきげんようと
永久におさらばと
いましばらくと云う永遠と
土色の夜の星座のしたを横切る鰐のように
みんなと別れて
渋谷から帰りたい
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