忘れ女たち07/24/2012 kobe-kyu-kyoryuchi-1/8 [日刊忘れ女たち]
07/31/2012 18:44
日刊忘れ女たち07/24/2012/03931
よわい怒り
林檎だと云うので
ことばが弾んだ
屈伸したり
前向きに麻薬を打ったりするので
「怪傑ハリマオ」を読んだりしている
土の匂いが嫌いだ
林檎なのに
あたしが理科室の林檎だったときに
試験管のなかで草臥れてしまってはいけなかった
少しずつ
あたしになればよい
林檎はここにある
傷をもらっても
医務室の人は冷淡だった
そう云えばなんて云ってはいけない
林檎はあなたにもあって
あたしの眼はつり上がり
麻酔にかけられて
はらわたやあなたの想いが短冊のように処理されてゆく
先生は疎外されて
日食の日に
膝を折った
林檎はここにない
でもほんとうに先生を愛してる
唸りをあげて
乾いた仏壇に手を合わせると
林檎のことが
わかるのだ
よわい怒りがたどり着いて来た
林檎のことは
また明日思えばよいのだ
ことばは浮かんだり消えたりしながら
ぼんやりとあなたを
通り過ぎるのだ
東十条を過ぎて
王子に向えば
林檎の
気持ちになれるのだろうなあ
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