忘れ女たち06/24/2012 ukima-summer-works-02 [日刊忘れ女たち]
06/30/2012 04:42 K病院から
日刊忘れ女たち06/24/2012/03902
あたしたちだけの結末 24
幸坂くんのもとかの女の乳首が
硬く立っていた
きょうこな守り
いぼいぼの天使の鼓（つづみ）
なめらかな長い舌
攻め落とせない
秘密のことを秘密にしない荻窪のあさのアパートメントで
妻以外の愛人以外の恋人以外の親しい友人以外の
なんにんかの女性と経験のあるにもかかわらず
そのとき幸坂君のもとかの女の乳首について思いついたこと
「ずいぶんと硬い乳首だなあ」
金魚草はのっぽだなあ
ゆらゆらと好きでもないアオゾラに
向って伸びている
ちくちくと絶交しているソヨカゼに
あしらわれているかいないのか
秘密のことを秘密にしない荻窪の朝のアパートメントよ
ああお別れの会でひとりで歌うお釈迦様の歌のよう
起きたかなあ
燃えているのかなあ
ずいぶんと硬い乳首だなあ
ああお別れの会でみんなで歌う調子はずれの亜細亜の歌よ
明け方は早朝に早朝はあたりまえの朝にうごき
眠いだろうなあ
貧血気味だし
ずいぶんと冷たい乳首だなあ
幸坂くんのもとかの女の乳首が
硬く立っていた
きょうこな守り
ふらふらな天使の釦（ぼたん）
濡れた真っ黒い十万匹のほそい蛇
時間がない
タグ：詩 散文
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