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<34>ルー・リード詩集 [無謀なる365冊]

今頃なんでルー・リードなのかと云うと、先頃1993年の(再結成された)ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの映像を視たからなのだ。ヤバイ胸騒ぎが静かに広がり、ヤフオクで定価の2900円で落札した。

ルーリード詩集bookpoet.jpg


ルー・リード詩集 / ニューヨーク・ストーリー
Between Thought And Expression

梅沢葉子 訳
1992年 河出書房新社

以下概要(訳者あとがきより)〜

本書は1965年から1990年までのルー・リード自薦歌詞集。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代のものを含む87曲の歌詞と二つの詩、それに二つのインタビュー(チェコスロバキアのハヴェル大統領とニューヨークの作家ヒューバート・セルビー)が入っている。

〜概要終わり

全篇(あとがき等も含めて)の文字(活字)は黒字の白抜き。
表紙は窓が開いてそこ、ルー・リードの横顔。うむむ。
むかしこんな表紙を視たことがあった、「遠くまで行くんだ」だったっけ、「秋山清全詩集」だったっけ。わたしもいつかこんな表紙にしたいと垂れ流す。

以下引用〜

自分の体と この世で体が欲しがるものすべてが
嫌いになったと キャンディが言う
みんなが遠回しに話していることを全部知りたいと
キャンディが言う


「キャンディが言うには(The Velvet Underground 1969)」

〜引用終り

横書きの頁の下に、「キャンディはおかまだった。彼女はホルモン注射が原因のガンで死んだ。」とある。流して読んでいてこんなところで引っ掛けられてしまった。

以下引用〜

君はぼくの山頂だと思った
君はぼくの頂点だと思った
君をすべてだと思った
持っていたのに引き止めておけなかったすべて
持っていたのに引き止めておけなかったすべて


「ペイル・ブルー・アイズ(The Velvet Underground 1969)」

引用終り〜

じつはヴェルヴェット・アンダーグラウンドはほとんど聞いたことがない。
それでまあ焦っているのかも知れない。なんと云う小物だろう。

以下引用〜

伝説の心がおれたちを引き裂く
あいつらの恋物語のせい
やつらの立派な超越した愛
おれたちはここでけんかして
伝説の恋の一夜をまた逃す

(中略)

伝説の心がおれたちを引き裂く
おれたちの感情をズタズタにする 大声で助けを求めながら
伝説の恋は上からやってくるものではない
いまこの部屋にある

まともなことのためには闘うしかない


「伝説の心( Legendary Hearts 1983)」

〜引用終り

なんだか悲しくなってくるし、どうでも良い気もする。
音楽もなんだかおんなじフレーズのようで(ただ聴いていない知らないだけなのかも知れない)、それが良いようで、、
80年代を過ぎると、なんだか革命ゲリラの決起の詩のようでもあり、おっぺけぺ節のようでもあり、
なんたらかんたらヴェルヴェット・アンダーグラウンド/ルー・リードは凄ければ凄いだけ悲しい。

なので、多分一番美しい詩を。

以下引用〜

そして 女優たちは
帰りの遅い男優と通じ合っている
芝居がはねたあと
客はみんな
街灯の下 路上に散っていった
この美しいショーの中のショーに
どんなショーもかなわない
ブロードウェイだけが知っている
“白い大銀河”
それは何かを訴えていた
体をつなぎとめるものもなく
宙を舞い
膝から地面に落ちた時
パラシュートなしで公演するのは
あまりかっこ良いものではなかった
彼は壁から突き出した桟に立ち
遠くを見つめ小川を見たと思ったーー

そして彼は叫んだ「ほら!鐘だよ!」
彼は歌いあげた「鐘の音が聞こえる!」
「鐘の音が聞こえる!」
「鐘の音が聞こえる!」


「鐘(The Bells 1978)」

〜引用終り

これでお仕舞い、今日は疲れた。
41年は長過ぎる。短すぎる。


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