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<28>詩集『冬至の薔薇』/相澤啓三 [無謀なる365冊]

相澤先生です。
わたしはファンなのです。
全篇引用したいくらいです。

以下引用〜

ないは不思議なことば
ないがなければないはないのだから

記憶と期待が見出したないという様態は
もともと動物が生きるための脳の働きに宿った

ないあるないあるは意識以前の情報処理のABC
ないがなければ暗黙の推論もないのだから

あるいはことばがなければ在るは或るのまま
あらゆるもののなかに棲みつづけたかもしれない

そののっぺらぼうの在るに切れ目を入れ
ことばのないがないものを見世にならべた

ないは欲望をそそる不思議な流れ
悲しみと不安と怖れを浮かべ
争いの波で在るを洗い出す

(「非在のノイズ 2」)

〜引用終り

先生はどうも山梨(甲府?)の地域に非在の古里をお持ちらしい。
1月に営業で行って来ました。でも甲府市内の小さなアーケードを行ったり来たりしただけ。

〜以下引用

おお、老いた魂に
血を香り立たせる冬至の薔薇!

(「冬至の薔薇」)

〜引用終り

おお、なぜこれが第一声なのだろう。二連三連と、そして詩集最後の詩連へと、
(「冬至の薔薇」から「まだ見ぬかたの花」へと)
悲しみは揺さぶられ
かすかに花も老いも革命も、非在さえもが咲いています。

なにか書こうとしていたのですが、
それも何日か思っていたのですが思いつかないまま日が過ぎてゆくので
これで終わりです。

ほんとうは「革命」と云う連詩にかなり深くきたのですが、
わたしには手に負えませんでした。

おおきなお世話ですが、皆さんも読んでみてください。

相澤啓三/冬至の薔薇201003786.jpg

冬至の薔薇
著者 相澤啓三
発行 2010年3月15日
発行所 書肆山田


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