『船のある位置』08/18/2013/04194

18:14:28 okuribi-ukima 08/16/2013

　　　船のある位置

地面なの

赤枯れた麩（ふ）の菓子のようだね

どこが

否定するほど暗い土地だな

群れている

書かれてある

いる

いない

ある

ない

鬼の女がつくる部落だやがて

ざわついて

新興勢力のセールスボーイや

セールスガールたちが

あたしたちと入れ替わる

そうはいかない

居座ってやる

地面なのか焼けたソラか

書いてある

書かれている

読まれなくて良いもの

声を出しては

とても読めぬこと

区割りされ

決められて

さあ向かうところ敵はなし

文字の書かれた

そのくらい坂道を上り

六画のバスを乗り継いで

船のある位置まで走る

こゝろを汚れた縄で巻き

何人か並んで

鬼の女の肌の甘みを

焼きながら

からだを動かす

月よ踊れよ

今その子は産まれる

タグ：詩　散文　詩人　詩歌　現代詩 船のある位置 赤枯れた麩（ふ）の菓子 六画のバスを乗り継いで 鬼の女 その子は産まれる