『ヘンリー・ミラーの画集』07/30/2013/04177 [日刊忘れ女たち]
14:09:31 kami-syokotsu/monbetsu 07/27/2013
ヘンリー・ミラーの画集
快楽的なこと
褒められること
野球選手の動く姿
そこにいる者にしか聴けないジャズ
夏の浜辺の廃船の陰で踞る
しなければならないことが何もないとき
胸に標される旋律とその予感
認められること（専用のデスクなど）
鎮痛剤
酩酊前のほんの僅かな錯覚の時間
倚りかかること
あたらしい発見
単純な行動の積み重ねが力と感じられるとき
車の後部座席
宗教的神秘的歓喜
衰弱の美しさ
ノリノリの売り場
自分に向けられた質問と視線
この愛以前の事柄
配色の美しさ
ひねりを加えないこゝろ
快楽的なものと
その哀しさ
自嘲
自嘲しないソラ
老いて
光と陰
発火と霊廟
興奮と自在
静寂と禁断の
胸を開けること
忘れることとその回復
思い出すこととその昇天
採集することと
初めての札幌で
万引きした
ヘンリー・ミラーの
画集（接着剤の染みが付いている）
行くことは帰ること
帰ることはふたたび行くこと
＊ヘンリー・ミラー画集／『描くことはふたたび愛すること』
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