日刊忘れ女たち01/07/2013 yamanashi-koufu-06/15 [日刊忘れ女たち]
09:43 kofu 01/07/2013/04064
日刊忘れ女たち01/07/2013/04065
悲しいのなら帰宅せよ
此れは警告ではありませぬと
テーブルに容器を置けば
それからやることがある
酩酊
尋常
そして粋（いき）
日付の皮を剥いて
歌っていたよね
その時代にいっとき命は嘘のように海へと帰り
歌っていたよね
前触れのないのをいいことにして
手をつないで
歌っていたよね
その歌と遠く離れて
山脈のひとつまみ
海溝の爛熟
その歌をひらいている
亭主を変え
花咲の季節をもどし
やくわりの真琴を変えて
酒を置いてやることがある
あたしたちは店を変え
道を変え
海を変え
声を変え
あたしたちはバスを乗り換え
戦場を変えた
そうしてやり残した水の騒ぎを
帰宅してテーブルに貼りつける
音をたてて
酩酊
尋常
それから粋
粋と酒を置いてやることがある
あたしたちは恋の仕方を変え
時もソラも視つめず
冒険の手はずも変えた
亭主を変え
狂気を変え
こゝろを変えた
ガラスを割って
もう戻らないと決めた
電飾の道を記憶しないといきまいた
酩酊
尋常
粋なことばを
どこに電灯がついているのかわからぬバスに
揺られながら
余韻で終了にむかいつづけた
酒と粋をテーブルに置いて
微睡むことがある
もう星の懶惰と朝の港はこゝろに戻らぬ
すぐには醒めぬあなたの不思議
悲しいのならいますぐに帰宅せよ
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