忘れ女たち08/21/2011 tokyo-ikebukuro-last/6

09:36 09/13/2012 Checkpoint Charlie-Berlin

日刊忘れ女たち08/21/2012/03959

　　　チェックポイント・チャーリー

蒲団の中で決心を伝える

雨模様ではあるが

迷うこゝろはない

兵士の証明写真が高くかかげられていて

洞くつの中から目覚めたばかりの

あなたたちは

黒い羽ばたく染みとなって誘（いざな）う

いつのまにか

白い雲は輝き

水の脹ら脛の刺青がとつぜん駆けだす

地下鉄に乗ります

階段をこゝろの目的の数だけ降りてゆきます

濃い黄色の券売機の前で

壊れてはいないこゝろでも

ことばを壊してしまうことを知るのです

新しいカメラも

決心の分だけ勝手に動きます

あたし自身を揺れながら撮ります

路を撮ります

地面が急廻転して

チェックポイント・チャーリーに

到着します

静止画と思えばそれは動画

動画と思えばそれはいつまでも動かず

こゝろの人種ごとに移動する街並を騒ぎ

だれがあたしたちを自由にするのか

わからないままに土産物屋の前を横切る

雨は上がり

と云うより今朝は朝から晴天で

こゝろの仕合わせの

欠片に青や黄色の色を塗りながら

ここまで来た

一人２ユーロずつ払って西の兵隊の

星条旗や携帯電話の向こうのガールフレンドたちに挟まれ

あたしたちは

記念の脹ら脛をむき出しにして

笑いながら

こゝろの時刻（とき）を隔てたのだ