忘れ女たち08/08/2011 tokyo-yaesu-8/14 [日刊忘れ女たち]
18:21 08/21/2012 ikebukuro
日刊忘れ女たち08/08/2012/03946
輝くひと
机の上で説明を聞く
あたしの家来は虫である
そう
虫であり
時計であり
ひらがなだった
聞き終わってから
詩集を差し出す
輝くひと
「詩集を頂き有難う」と仰有って
サインをする
虫ははあ?と微妙なゆるみを肢体に表す
時計は二重時刻を打つ
ひらがなは
乾燥していたけれど
待望の雨だよ
降って来たねと
主人のあたしを勇気付ける
二次会が終わって
輝くひとはすこし背中を丸めて
ふらふら内陸のほうに帰っていった
あたしの家来は
ついて行った
送ってさしあげなさいと
あたしが命じたからなのだけれど
あれから二年もたつのに
内陸のほうから
あたしの家来は
だれ一人として帰ってこないのよ
輝くひとは
でもね
あたしのなかに居るんです
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