忘れ女たち07/16/2012 shizuoka-Sales events-6/7

日刊忘れ女たち07/16/2012/03923

　　　鎌倉小町通り

 

ぼくの力がころころ転がってく

鎌倉小町通り貸し画廊には

よく云われるよいまでも

ああキャッチ系の

三分の一は宝石店で

ぼくは夜の道に安いイーゼルをたて

客を待っていたけど

あなたが通りがかるとは夢にも思わなかった

ぼくの脇のしたには何十匹の悪鬼がいるだろう

イーゼルに飾ったリトグラフは

ゴルフ場の絵が人気の轆轤（ろくろ）と云う名の画家で

でれでれと酔っ払った戦後日本を代表する詩人が

背の高い軟体動物のように

おおへへへゴルフ場かあ

そのすこし遅れて控えめな女性が続く

あなたを視たのはそれが最初で最後だった

ぼくのことばがこゝろを転がってく

鎌倉小町通りの貸し画廊前を

それから妻や恋人と何度も通り過ぎたけど

そこにはよく云われるいまでも

ああ店頭公開するのは凄いことだ

三分の一は酒の夢で

背の高い軟体動物は

おおへへへゴルフやりてえなあ

そう云ったまま

溶けてしまった食べ歩きアイスのように

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