忘れ女たち11/25/2012 keio,plaza,hotel-shinjuku-2/2

09:33 yoshinobu 12/29/2012

日刊忘れ女たち11/25/2012/04055

　　　薔薇の日

晩秋の一族はすがすがしく

血の言葉を絶対につかわない

砂の嵐が歴史をなぐさめた

冬の一族はおおらかに喀血して

愛の言葉だけがすがすがしい

垣根がずんずん高くなり砂の嵐をはねのけた

そりゃ嘘だとうららかな春の一族が云った

ぼくたちは何度も生き返るよ

薔薇の日にも

風の日にも

ほんとうの日にも

嘘の日にも

それならほんとうだろうと晩夏の一族が口をそろえた

お安い御用さ

さあ視つめてご覧なされ

この秒針が光りに溶けてしまったら

あなたの季節にたくさんの心臓と血を贈ろう

そりゃあ嘘だとおおらかな喀血の一族が云った

あたしたちは何度でも攻撃をかける

知識も花もきみたちには負けぬ

愛の日にも

血の日にも

ほんとうの日にも

嘘の日にも

タグ：詩　散文　詩人　詩歌　現代詩 薔薇 薔薇の日 心臓と血 一族 血の言葉 愛の言葉 血の日 愛の日