忘れ女たち10/15/2012 kyoto-no.6 [日刊忘れ女たち]
10:57 kyoto 10/15/2012
日刊忘れ女たち10/15/2012/04014
踏み込んできた
かれの弱点は
煙突になってしまうと云うことだった
ほんらいは煙突掃除人であったけれど
こちらも踏み込まれたものだから
思わず相手の弱点を
輪郭で囲むしかない
身支度とは
何をすれば良いのか
うらぶれて
仕事場と裁判所と神殿のほうに
発声をする
発音して
魂のくだ(管)にちからを込める
あと数分で
失敗するだろう
もくもくと欲望をきみは吐き
あたしたちは希むところに転落を開始する
あたらしいことばたちは
燃えない家と
燃える家に分かれて住んでいる
手紙を書こうとしても
何をうったえてよいのか皆目分からない
身支度とは
綺麗になることだろうか
こゝろに鎧をまとい
それでも
青い湖の霧の向こうまで
素足で行くのだ
こゝろの支度を
こゝろ以外の支度の蝙蝠たちにまかせてしまおう
こゝろ以外の支度を
こゝろの支度する
音声ガイド嬢にまかせてしまおう
あたしたちは
あなたたちのこゝろの身支度から遠く放たれている
あたしたちは
湖畔の宿に解体されたはずの家族と
あたしたちは
あたしたちではないこゝろたちと
あたしたちは
この家を建てた
あたしたちは
湖の向こうに広がる深い霧を
あたしたちは
いつまでも視つめ続けながら
あたしたちは
あなたを抱きながら
いつまでもくろい煙を吐き続けたのだ
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