忘れ女たち09/14/2012 Deutschland2/8-Berlin [日刊忘れ女たち]
15:07 09/14/2012 Berlin
ソラはやがて文字の形で消える
肉を喰う海星一杯だ
肉を喰う海星一杯だ
慰めて帰る
境界のなかの聖霊が柵を越えて
泡のなかの憎しみを凝視している
ソラが三千の海星の尾っぽで垂れ下がる
奇襲電車に乗り遅れる
黄色い煙
吐いている
肉団子ごろごろ転がる
やがてソラはその匂いに満ち満ちてくる
お祈りをしよう
フロント係のお兄さんが行き過ぎる
日本の小説家のことを知っている
けれどバスタブの予備はない
湯船からお湯が抜けてしまう
ソラがお湯を吸い上げている
三千の海星の尻尾が濡れて重たくなって
泡のなかの憎しみを凝視している
熱い熱い泡だよ
泡のなかの肉を喰う憎しみだよ
奇襲電車に乗り込んで
またソラを落としにゆく海星たちが
文字の形で消える
あなたはいつもそれを読んでいる
そしてあなたのなかの記憶が消える
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