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忘れ女たち07/03/2012 ukima-summer-works-11 [日刊忘れ女たち]

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07/02/2012 10:44




日刊忘れ女たち07/03/2012/03911




   シンリのかくめい 3



ハイエナのひとりはトシアキである
だから落とし子の腐肉をいつまでも漁るわけにいかず
信号を渡る
少女なのか少年なのか
わからぬ浅黒い練炭が今生の別れの歯形に呻いている

壊れてはいないのだがシンリにはほど遠いように思え
乱立する逃げるなの旗が白地に黒の稲妻もよう
どよめいて波うつ卑怯をころせの花吹雪の壇上
あたしたちは防護帽を投げ捨てる
草が枯れている
百合は血まみれか
昇降機のからんからんと云う音が聴こえ
少女を抱きしめ
少年を潰す

温かな地下の動脈を削って
昇降機が到着して
みだらな雑誌と息をしていない人間金魚を差し出す
もう食べてはいけない
開いたドアーのむこうで
あなたが<こちら側>に一礼する
トシアキが来たぞ
何しに来たんだ
はははああ
ふふふひえ

疲れはててと云うふるい砂鉄の夜は
靴を脱いでも土足である
防護帽をはずしてもまた防護帽である
むろん当然卑怯を殺せの星色の化粧を落としても
逃げるなの旗の白地に黒の稲妻模様を赤く塗り替えても
土足の脚と
シンリに偽造された膣のような肛門である
トシアキが逃げるぞ
粉砕せよ
花の名のかくめいのあたしたちはモザイクをはがし
濡れた睫毛で桃色の鼾をかいている

こそこそと
毛だらけの国境に捕獲された腐りはじめた肉の
うら側にのぼり降りる
パスカルのピラミッドの舌で映像を吟味していた
あの頃が懐かしく
勃起しながら笑いこけた
あるいは盗まれたコメディの
さて此処に聴こえてくる
漫談の死骸は南国にもどせと云う笑い者の歌
かすれた記憶を摩擦に変えて
またきょうも月のつめたい炎を読んでいる

風と名付けられるか
狂気のないいまは当然のこゝろの破壊だ
生命は謳歌され当然のシンリの液状化だ
あたしたちのハウリングし続けてほんとうに壊れたこゝろの過去は
何処にあるのか
妄想は死んだ
妄想せよ
戦争は死んだ
戦争せよ
あたしたちのピラミッドは高くなり高くなり産んでゆき
みな答えない

死ぬ
死ね
死に
死力と
ソラは騒々しい
今日もあさの八時にもまだ遠い時間から
卑怯を殺す
空軍が
網のうすく光る銀を羽根で跨いで西に向っている

あたしは仕事中で
腐肉のビルヂングの八階から
十一階にかけてをうろついている
視界は三百六十度
光の速度とシンコウには
まだすこし物足りぬが
電気を浴びて
高くなり高くなり産んでゆき
一途なる子殺しの歌をすばやく何本も
不燃の天井から吊るすのである








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